YouTubeはなぜ成功したのか [by 室田 泰弘 (著)
YouTubeはなぜ成功したのか 室田 泰弘 東洋経済新報社 2007-05-11 posted at 2007/06/16 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『あのYouTubeが・・・』
系統立てて考えてみたいなあと。
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☆気になったキーワード
『ITのダイナミズム』 『笑いの連鎖』
『短いのにはわけがある』 『松尾芭蕉』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『素人でもおこせる革命とは?』
素人による素人のための素人のサイトがYouTubeらしい
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☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『場を作るのが先だ』
▼『短いのにはわけがある』
▼『本当に悪者か?』
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▼『場を作るのが先だ』
YouTubeは有名ですから、その内容も知っているかとは
思いますが、YouTubeを設立したときに・・・
創業メンバーが思い描いたことは
自作のビデオをネットで簡単に交換し合えるように
なったらいいね
という一言から、その「場」を提供することでした。
決して、自分たちのコンテンツだけを提供しよう!とか
自分たちが検閲したりチェックしたりして、選別をしよう
ということを考えなかったのです。
あくまで役割は「場」の提供であって、
コンテンツの内容は参加者に任せること
そして誰もが参加できることを重視したのです。
このように「場」を作ろうとすると・・・
もっとも大事なことは何か?というと
「手間なし」に参加できるということ。
この「手間がかからない」ということはとっても重要で
コンテンツを参加者に依存する以上、手間をかけてもらってしまうと
「やる気がでない~」と参加者が集まらなくなってしまうのです。
ここ、まるるちゃんは失敗したことがあります。
それまでの経験で「自由」にすると、逆に「場」の管理をするのが
大変になることを想定していたので
ちょっとユーザーにとってきつめの設定をしてしまったところ
ものの見事に失敗しました(^^;;)
逆に、この「手間なし」で参加できる状況が成功すれば・・・
その後は「雪だるま」式に成長していきます。
特にYouTubeの場合には、「笑いの連鎖」が起こったといいます。
これは「見て楽しむ」ユーザーが、「笑い」
さらにそれだけでは満足せずに、今度は「自分も何か発信したい」
とビデオを投稿する。
するとまた新しいユーザーが入ってきて「見て楽しむ」。
このループが回り始めてから、爆発的に成長しました。
「場」の設定は最初はとっても大変なのですが
このように回り始めるかどうかで、その成否がきまります・・・
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▼『短いのにはわけがある』
YouTubeを見ていてまるるちゃんは思っていたのですが
どの動画も比較的短い!
映画やテレビドラマに比べたらはるかに短いですよね。
長くても10分以内、おおくは数分程度ですから。
その状況を見ていて、エンジニアなまるるちゃんは
「サーバーの負荷を軽くするためかな~」とかまじめに
考えてしまっていたのですが(笑)
実は・・・これは技術的な背景ではなく
投稿者側、そして見る側の本質的な理由もあったりするのです。
例えば見る側。これはまるるちゃんの予測ですが
長いメッセージを伝えられても
それを見ている側が全部理解できるか?というと
そんなことはありませんよね。なかなかすべてを伝えることは
できません。
逆に短いメッセージであれば、それを理解することは
比較的容易です。
そして・・・投稿者側の文化として
「ビデオ・ハイク」という文化があるんだそうです。
本著を読んでいて始めて知りました。
その上・・ハイク=俳句だということに気がついたのは
かなりたってからです(笑)
いわゆるショート・ムービーはタダの短編映画ではなく
俳句のように、短い中に「いろんなメッセージを詰め込んだ」
ものなのです。
まるで、日本の俳句・墨絵のように
シンプルであっても、その感性がとても豊かなように。
となると、本来であれば長くなってしまいがちなメッセージを
短く詰め込んだ形で伝えることができる
新しい文化が、YouTubeによって誕生したと
いえるのではないでしょうか?
インターネットが普及したことによって
Webページやメルマガの形で、個人が情報発信できるように
なりました。
さらにYoutubeによって動画が付け加わることで
その表現力が大幅に広がったといえるのではないでしょうか。
個人メディアにとって。
技術的な進歩は、技術だけではなく、
その技術を伴った文化的な発展を遂げるという趣旨が
本著に述べられているのですが、その点は全く同感です。
パソコンが普及してくればパソコンの文化
携帯が普及すれば携帯の文化がどんどんと広まりました。
となると、好き嫌いを行っている場合ではなく
まずは触れてみて、自分も少しでもいいから文化の担い手
になるように努力しないといけませんね・・・。はい。
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▼『本当に悪者か?』
さて、Youtubeといえば、一時期新聞やテレビニュースを
騒がせました。
それは「著作権問題」。
音楽業界やテレビ局などから、アップロードされている動画が
著作権に違反している!ということを指摘されて
大きな論争になりました。
日本からも3万件の動画の削除要請がでて
Youtubeもそれに対応したと言います。
まるるちゃんも知人から教えてもらってみましたが
先日は、都知事候補の政見放送があまりにも面白くて
100万回の再生されて、公職選挙法のからみで困惑した方が
いるとかいないとか(^^;;)
しかし・・・・本当にYoutubeは法律に違反している悪者
なのでしょうか?
厳密には、「場」を提供しているだけですから
Youtubeが法律を犯しているわけではありませんが
それを助長していると、判断しているのだと思います。
実は・・・歴史は繰り返すという言葉が今回もあてはまります。
Youtubeに敵対している音楽レコード業界の雄として
ソニーが主力メンバーに入っているのですが
そのソニーはVTRの時には逆に、映像業界から訴えられる
立場だったのです。
それは。。。。VTRが「コピー」を冗長することに
危機感を覚えた映像業界から・・・。
その歴史は結果的に、VTRの普及によって
新たな収益源を映像業界に与えることになり
途中から批判の声は消えてなくなりました・・・・。
話は元に戻りますが、著作権を主張する論拠として
「著作権をフリーにしてしまうと、クリエータにお金が
入らなくなり、彼らが活動意欲をなくしてしまって
文化が減退してしまう」というものがあります。
では、これ本当なのでしょうか?
もちろん、お金が不要!という人は少ないでしょうが
逆に「お金」以上にモチベーションが湧くものがあると思うのです。
そうじゃないと・・・ボランティアで働く人や
お金はいらないから・・という人たちの存在が説明が
つきませんよね?
そう、「みんながよろこんでくれること」が報酬の
場合も大いにあるのです。
「貢献」の欲求が満たされた状態ですね。
そう考えると「みんながよろこんでくれる場」を提供している
Youtubeの存在は悪者などではなく、最良のものであるともいえます。
物事は1面からみるだけではダメだという実例でも
あるような気がします。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『パンピーウェイ:好きなことに没頭してみよう』
それが大きなエネルギーになる。
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Youtubeは確かに著作権の立場からすると微妙な存在です。
ただ、前にある雑誌を読んでいて気になったのは
「著作権」というものは、著作者がまったく必要ない!
と思っていても、一概にそうなるとはいえないものだと言うことを
知りました。
(まるるちゃんの理解なので間違っていたら指摘してください)
権利を放棄することは著作者の意志としてできないと。
あくまで放棄が意志として表明されていても
著作者に都度確認をとらないといけないと。
これは結構な問題ではないか?と思うのです。
だって、「意志」が尊重されていないのですからね。
著作権も「ミッキーマウス法」と呼ばれるくらい
権利が延長され続けています。
Youtubeの登場を機会として考え直してみる時期に
来ているのかも知れない。
それが新たな時代の幕開けになるのかも
そんな風にまるるちゃんは感じました。
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